漫画『凶乱令嬢ニア・リストン 病弱令嬢に転生した神殺しの武人の華麗なる無双録』の感想

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目次

漫画『悪役令嬢の中の人』の作品紹介

幼い令嬢の、天真爛漫さと最強のギャップが見どころ

要約
  • 華奢で可憐な令嬢が大暴れ
  • 幼い令嬢らしからぬ言動の面白さ
  • 圧倒的画力で魅せる、バトルシーンの格好よさ

原作:南野海風
漫画:古代甲
キャラクター原案:磁石(小説1・2巻),刀 彼方(3巻~)
出版社:スクウェア・エニックス
2024年10月現在、コミックス4巻まで発売中
2024年12月、コミックス5巻発売予定

漫画『凶乱令嬢ニア・リストン』のあらすじ

死の間際まで戦いを望み、自分よりも強い存在を追い求めていた主人公は、反魂の法によって、病弱な令嬢「ニア・リストン」の身体を得てよみがえる。

前世の記憶はおぼろげで、覚えているのは「氣」の使い方と、たった一つの思いだけ

「今度こそは」
「――私を殺すモノを きっと 捜し出そう」

(引用:『凶乱令嬢ニア・リストン』コミックス1巻)

そんな物騒なモノローグで始まるので、殺伐としたバトル漫画かと思いきや、ストーリーの主軸として描かれるのは、実家を破産させないために【魔法映像(マジックビジョン)】の普及に励むニアの日常。

配信者として活動し、チンピラに殴りこみをかけ、学院で友達ができ、闇闘技場に見学に行ったりと、忙しい日々を過ごすニアだったが、2年以内に10億クラム(大金)を稼がなければいけなくなって……というのが、コミックス4巻(15話)までの内容。

漫画『凶乱令嬢ニア・リストン』の感想

幼い令嬢と、戦闘狂とのギャップ

本作の面白さはギャップにある。

見た目は華奢で可憐な幼女なのに、中身は戦闘狂。

血と暴力を好む一方で、義理堅く、TPOに合わせた行動ができる性格。

主人公は「ニア」の身体をもらい受けた義理から、彼女が背負うはずだった義務と責任を果たすことを誓い、親孝行を心がけるなど、意外と律儀で人情味のある性格をしている。

ただし、表面上はお行儀よく振るまいつつも、発言は上から目線で戦闘狂としての本音もだだ漏れ

血と戦いを求める思いは純粋で、血なまぐさい気配に目をきらきら輝かせる様子は無邪気とも言える。

その無邪気さと愛らしい外見が相まって、子どもっぽくない言動に子どもっぽさを感じるミスマッチ感が、この作品でもっとも面白いところである。

爽快感のあるバトルシーン

ニアの戦闘能力はチート級で、敵役は抵抗さえままならない。

か弱い幼女を装っていても、いざ戦闘が始まると凶乱令嬢の本性全開

もっとも恐ろしく、もっとも凶悪な存在として描かれるニアの姿は、ほとんどホラー。

チンピラ、マフィア、魔物の群など、数コマ前まで絶対的強者だった敵役が、恐怖と敗北感に震え上がる様子は痛快。むしろ、ニアの敵になったことを不憫に思ってしまうほど。

ニアは常に戦いと強者を求めているが、壮絶な戦闘の連続というシーンは登場しない。戦闘が始まると同時に決着がついている

だからといって、物足りなさを感じることはない。

画力が圧倒的に高いので、シーンの見せ方が上手く、動きやポーズは格好いい。難しい構図も安定した作画で描かれるので、見応えと満足感がある。

ニアが大切にしている普通の生活

普通の子どもではなく、人間の範疇を超えた強さを持つニア。

そんなニアも、6歳になってアルトワール学院に通い始めると同年代の友人ができる。

第三王女という境遇ゆえに大人びていて、ニアとは別角度のエグい発言をする「ヒルデトーラ」。

【魔法映像(マジックビジョン)】事業に参入している貴人の令嬢で、ニアやヒルデトーラに比べると普通の女の子「レリアレッド」。

ヒルデトーラが特権階級ならではの腹黒い発言をし、侍女リノキスが過剰な愛情表現をすることで、普通の子どもではないニアのほうがまともに思えるところも面白い。

常識人枠のレリアレッドは、好戦的なニアにドン引きすることもあるが、ニアを腫れ物扱いすることなく、同い年の友達として自然に接するので、ニアに年相応の時間を過ごさせてくれる。

戦闘では負けなしのニアに、【魔法映像(マジックビジョン)】のライバル配信者として圧倒的敗北感を与える、稀有な存在でもある。

本作の見どころはニアの戦いっぷりにあるが、その根底にあるニアと周囲の人々との信頼関係も、魅力の一つと言える。

関連URL

【コミカライズ:マンガUP!】
『凶乱令嬢ニア・リストン 病弱令嬢に転生した神殺しの武人の華麗なる無双録』

【原作小説:小説家になろう】
『狂乱令嬢ニア・リストン』

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